StyleNorwayWebMagazine 【スタイルノルウェー】

[JØTUL/ヨツール] http://jotul.co.jp

暖かさとは、自分だけのものではありません。
自然や環境と調和がとれて初めて、人をほっとさせる暖かさが生まれます。
鋳物製ストーブにリサイクル鋼が使われているのも、人と世界を暖かくする要素のひとつです。

文=山岸みすず text by Misuzu Yamagishi

鉄は古くから、人間の生活に深く関わる広範な用途を持つ優れた素材でした。製鉄の技術が普及し始めたのは紀元前25世紀頃といいます。近代では、製鉄業は欧州の産業革命の推進役として人々の生活を大きく変えてきました。溶かした鉄を型に流し込んで製造する「鋳物」は、耐久性があり、蓄熱して暖かさを保ち、しかも自由なデザインが可能です。そんな鋳物製ストーブがノルウェーに誕生したのは16世紀末。鋳物の暖炉製造はこの国初の機械産業となり、その伝統は1853年に創業したヨツールに受け継がれ、今も世界中の人々の暮らしを暖めています。ヨツールのストーブ製造の工程は、鉄を暖炉や薪ストーブに最適な配合にして溶解することから始まります。そしてこの鉄の約95%にはリサイクル鋼が使われています。再利用される鉄は高純度のものに限られ、海洋王国らしく船舶の備品や列車の線路などが主に用いられます。溶解された鉄は直径0.15ミリという微細な砂による抜き型で成形され、製品に梨地という素朴であたたかみのある紋様をもたらします。限りある資源を大切に使い、持続可能な暖かさを求めるのはヨツールにとっては当然のこと。環境への配慮の取り組みを知ってもらうため、年に一度、近隣住民を招いて本社工場を公開する「ヨツール・デー」という日を設けるなど、徹底した情報開示も行っています。

その暖かさへの哲学が、鋳物ストーブメーカーとして世界最古の歴史と、生産台数世界一という名誉をもたらしているのです。よい香りを漂わせる林檎の木や白樺の薪をくべて、今はストーブとなった鋼鉄の来歴に思いを馳せてみる。そこに見えてくるのはフィヨルドを行き交う船か、清涼な空気の中で列車を走らせていた頼もしい線路なのか…。そんな密やかな楽しみも運ぶのが、ノルウェーから届く暖かさの魅力なのです。

 

 

JØTUL F 473 ヨツール F 473
フロントガラスが大きくカーブした
ティアードロップ型のインテリア性の高いストーブ。
横からも炎が眺められる。
SIZE W46 H118 D49cm 179kg 暖房面積100㎡ 61畳
¥693,000